シリコン洗浄
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 シリコン洗浄については、シリコンの用途によって洗浄液が異なる。作業工程内で洗浄しているといってもシリコンの表面には、空気中に出しただけで1〜2nmくらいのシリコン酸化物ができます。これ以外にも空気中には、目に見えないゴミや塵が多く、これもまたシリコン基板に付着します。よってこれらを落とすために実験を行なう前に、シリコン基板は、洗浄する必要があります。洗浄の作業は、何をするのかによりますがおおむね一般的な方法がフッ酸を使った方法です。私のやり方としては、こんな感じです。


@ガラスのビーカーを洗う。

Aメタノールでビーカーだけを洗う

Bメタノールを別のビーカーに移す。

C洗ったビーカーの中に、トリクロロエチレン(トリクレン)を入れて5分間の超音波洗浄をする。

Dトリクレンを捨てて、次にアセトンを入れて5分間の超音波洗浄をする。

Eアセトンを捨てて、次にメタノールを入れて5分間の超音波洗浄をする。

Fメタノールを捨てて、プラスチック製のビーカーにシリコン基板を移して純水を入れて、そこに濃度約3%ぐらいになるようにフッ酸を入れて待つ。(フッ酸のときは、怖いので超音波洗浄をしません。)


 大雑把にこんな感じです。シリコン洗浄の溶液は、基本的に猛毒です。飲んだら腹を壊すものから、へたしたら死ぬ可能性もある危険なものです。扱いには、気をつけてやらないといけません。


 使った溶液には、それぞれ意味があります。
 トリクレンは、油を落とすためです。シリコンに工業油が残っていると試料作製に悪影響を及ぼします。このトリクレンを使って丁寧に落としてやります。5分間の超音波洗浄といえどもでも蒸発します。この気体を吸うとめまいや頭痛・吐き気が起こるらしいです。
 アセトンは、シリコン基板に付着したトリクレンを除去しています。シリコン洗浄溶液の中で比較的安全な部類に入りますが、人体に毒であることに変わりありません。蒸発した気体を吸っても気持ち悪くなるぐらいのイメージです。
 メタノールは、シリコン基板に付着したアセトンを除去します。目に入ると失明する危険な液体です。超音波洗浄をしてもそんなに蒸発しないですが、吐き気が出てきます。
 フッ酸は、酸化膜を除去します。Si酸化物を除去することは、非常に重要です。実験結果に大いに影響を与えるものです。Si酸化物は、結晶成長において邪魔者なので除去は必須事項です。この酸化膜も使い方次第で有益な面もあります。デバイス作製にこの酸化膜を使うと有益なデバイスを作ることできます。この話は置いておいてフッ酸は、人体に付着すると骨をガンにします。フッ素は、電気陰性度が高いのでカルシウムと反応しているのでしょうか?メカニズムは詳しく知らないですが、一番危険度が高いです。上記の3つの液体は、ガラスのビーカーを使います。しかしフッ酸は、プラスチックビーカーを使います。ガラスビーカーを使うとみるみるうちに溶けていきます。フッ酸で二回ほどガラスビーカーを溶かしたのが苦い思い出ですね。
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